写真の奥行

「岩合光昭 ネコライオン」と「米田知子 暗なきところで逢えれば」。

東京都写真美術館にて、先の連休に見て来ました。

米田氏の展覧会が終了間近だったという事情と、

愛猫家(と愛獅家?!)の心を躍らせる「ネコライオン」とが重なり、入口には長蛇の列が!

滅多にないことなので、結構驚きました。。

まずは「ネコライオン」。

野生に生きるライオンと、人間と生きるネコ。

まったく異なる環境に在る両者を意図的に並べて「ネコ科」というくくりを喚起し、

ネコと生きる人間の野性にまで思考をつなげようとする展覧会。

圧倒的な可愛さに癒されながら、時々垣間見える獰猛さにドキッとしたり…。

見応え十分でした!

そしてさらに、「暗なきところで逢えれば」。こちらも素晴らしかった。

たとえばのどかな野球場。

どこかな、と作品リストに目を落とすと、「知覧」の文字。

すると途端に、ゼロ戦の音や若者の声が響きわたる――。

湧き上がる悲しみや切なさ、祈るような気持ち。

自分のものではない、でも確かに胸に起こるこれらの記憶は、

きっと静かに、永遠に、「場所」が抱え続けてゆくものなのでしょう。

写真に表れる〈それは=かつて=あった〉世界と、その大過去として出来事。

そしてそれらを今眺める、わたしたちの視線――。

写真の奥行を体感できる、とてもステキな展覧会でした。


毒とか悪霊とか。

「悪霊―下女の恋―」(作・演出:松尾スズキ)、

「ぬるい毒」(原作:本谷有希子、演出:吉田大八)、続けて観て来ました。

松尾氏と本谷氏、師弟関係(?)にあるおふたりの作品に共通する魅力は多分、

人間の(≒観ている自分の)イヤな部分をえぐり出してくる容赦ないちから。

 

今回もその印象は同じでしたが、

「悪霊」は少々の物語的破綻のため、

「ぬるい毒」は吉田氏のポップな演出のため、

観た後いつも心に溜まるアクのようなものは薄めだった気がします。

ホッとしたような、ちょっとだけもの足りないような、、、そんな気分。

次回作も楽しみです!


からだ、つかおう。

オロナインの新しいキャンペーンポスター、

都内各所で月曜日より掲出中です!

Facebookでも特設ページ「知リ100」を展開しています。

ぜひご覧ください☆


「マンガのちから」

東京都現代美術館、「マンガのちから」。

手塚治虫と石ノ森章太郎という二人の天才の仕事を通して、

「マンガ」の魅力を存分に味わえる贅沢な企画です。

「いのち」「愛」「時間」など、作品をテーマ別に整理した第3部が特に印象的。

大胆に再現された憧れのトキワ荘にも胸が躍りました!

 


「非‐リアル」の魅力

新美術館で、話題の展覧会を見て来ました。

まずは「アメリカン・ポップ・アート展」。

ジョン・アンド・キミコ・パワーズ 夫妻の壮大なコレクションは見応え十分。

ポップアートやらフルクサスやら、

60年代美術界のワクワク感はやはり並はずれています。

続いては、「アンドレアス・グルスキー展」へ。

写真集とは異なる迫力ある一点一点に、圧倒されました。

巨視的、微視的、等身大、それぞれのサイズ表現。

そこから生まれる意図的な、時に偶然的なモチーフの反復。

リアルの追求から生まれる「非‐リアル」な世界像は、

タイプを異にした二つの展覧会に共通する魅力として感じ取られました。