「声」

2013年の観劇納めは「声」。

三谷幸喜さんが演出したジャン・コクトーの戯曲、

鈴木京香さんがただただ電話で話し続けるという一人芝居です。

居場所が特定できる固定電話、しかも混線しまくり、でないと成立しないこのドラマ。

テクノロジーの発展は人々の生活を変えていきますが、

それに伴いドラマの在り方も変わるものだなぁと改めて感じました。

最後に…

今年3周年を迎えたハツメイ、みなさまのお力添えのおかげでどうにか穏やかに1年を終えられそうです。

本当にありがとうございました。

みなさまもどうぞ、よいお年をお迎えください。


「ブリングリング」

楽しみにしていたソフィア・コッポラの新作、「ブリングリング」。

渋谷で観て来ました。

ブランド品が大好きな若者たちが軽い気持ちでセレブ宅に忍び込み、窃盗を繰り返す――。

実在の事件に材を得ているためか、表現は極めてリアル。

迫力ある音楽にのせて、スピード感溢れる作品になっています。

そんな中、ロングショットで撮られた俯瞰のセレブ宅はとても美しく、

そこだけ時間が止まっていたかような、特別な印象を残すものでした。

家の中をせっせと物色する主人公たちの小さな影が、少し滑稽で、少し悲しげにすら見えたり。

丘の上から彼らをとらえるカメラの眼は、多用されるクローズアップと好対照をなしながら、

「感情移入を試みながらも善悪の判断はしない」

というソフィアのまなざしを体現しているように思えました。

ブランドものに彩られ派手な印象の強い「ブリングリング」ですが、

中心にあるのはきっと、若者たちを取り巻くSNSの問題。

ソフィアらしいアプローチで現代社会を切り取ったこの意欲作、

好みは分かれるところだと思いますが、、、一見の価値ありです!


斬新マクベス

長塚圭史氏演出の「マクベス」は、とにかく斬新でした。

男性の衣装はトレンチコートやら革ジャンやら。

(女性は古めかしいドレスでしたが、、、、ジェンダー的な意味合いを含むのでしょうか?)

客席に用意した緑のビニール傘を観客に一斉に開かせ、

「バーナムの森」を動かすという参加型演出も。

さらにはぷにぷにの、巨大生首のマクベスが客席を転げまわったり!

最後まで笑いの漏れる、新しい「マクベス」でした。

その一方で、シェイクスピア劇独特の台詞の濃厚さや、

「グローブ座」的な円形舞台など、原典の雰囲気も尊重されています。

かなりの力技をリラックスムードでかたちにする長塚圭史氏は、やはりすごい演出家。

今さらながらその魅力を、肌で感じることができました。


「恋するリベラーチェ」

ショーピアニスト・リベラーチェのド派手なステージにぴったりなキラキラのチケットで、

「恋するリベラーチェ」を観て来ました!

スティーヴン・ソダーバーグ監督、マイケル・ダグラス×マット・デイモン主演。

製作、出演ともに豪華キャストです。

1950~70年代にかけてラスベガスで活躍したリベラーチェ。

生前には明かされなかった彼の私生活は、斬新な舞台に負けず劣らず

ドラマティックなものであったようです。

栄光と豪奢の裏に隠された、葛藤、懊悩、孤独…。

「スターの素顔」としては定番の物語とも言えますが、

役者陣の卓抜した演技力によって、それが痛いほどリアルに、哀しく伝わってきます。

エンターテインメント性に富みつつも

しっかりとしたヒューマンドラマが展開されるこの作品、見ごたえは十分!

現在はシネマート新宿で上映されています。みなさまもぜひ☆


「グッドバイ」

シス・カンパニー「日本文学シアター」Vol.1は、太宰治の遺作「グッド・バイ」。

脚本は北村想さんです。

設定もストーリーも原作とはかなり異なっていましたが、

そのおしゃれでコミカルな魅力はそのまま。

漫画チックな舞台セットやキュートな台詞の応酬がとてもステキでした。

また、役者のみなさんもすばらしく、とりわけ蒼井優さんの可愛らしさにはおそれいりまめ!

「日本文学シアター」、Vol.2も楽しみです☆

(ちなみに、「おそれいりまめ」は原作でヒロインが発する駄ジャレです。舞台では聞けず残念!)