バランスなんていらない。

本

脚本執筆に行き詰った映画監督がふと思い立って、フリーペーパーで中古品を売る人々に会いに行く。品を見せてもらいながら、話はその生きざまにまで発展し、インタビューを通して他者のリアルに触れた監督が自分のリアルを見つめ直す。そしてそのふたつのリアルは監督の手によって、ひとつの「ストーリー」として編み上げられていく。『あなたを選んでくれるもの』はそんなアクロバティックな1冊で、個人的には「ドキュメンタリー」という印象は受けませんでした。

もちろん、「ひとりひとりの、忘れがたい輝き」に感動もしたのですが、わたしが思う本書の魅力はなんと言っても、聞き手+書き手のミランダ・ジュライが優等生じゃないところ!自分の価値観とか、プライドとか、好みとか弱みとか、そういうのをダダ漏れさせちゃうところ!彼女は万人受けしそうな感動ドラマよりも、相手への気遣いや労いよりも、自分自身の興味関心を満たしてくれる何かに寄り添うんです。そこが面白いし、素直だから嫌味じゃない。そのくらいじゃないと、「ストーリー」は完成できない。インタビュアーも表現者も、バランスを考えて守りに入っちゃつまんないんだなぁと、改めて考えさせられました。(まぁそんな奔放さと大胆さこそ、演出である可能性も否めませんが)〔K〕

ミランダ・ジュライ『あなたを選んでくれるもの』/新潮クレスト・ブックス/2015.8

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ハッケンと特効薬

日広

ハツメイオフィスの裏に、小さな記念碑をハッケン。通るたびに気になっていたコチラ、先日勇気を出して写真を撮ってみました。徳冨蘆花の旧宅といえば芦花公園が真先に浮かびますが、渋谷にもお住まいだったんですね。蘆花の代表作『不如帰』は、お昼のメロドラマ風のわかりやすい作品。純真で健気なヒロインがいじめられる姿って、妙に魅力的だったりしますよね。。。古典文法大嫌い!という方も、セリフ部分と単語を追えばストーリーはだいたいわかるはず。『不如帰』は現在、青空文庫でも読めちゃいます。

徳冨蘆花『不如帰』(青空文庫)

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さてさて、先日発売されたDJ和さんの「フェス、その前に」(ソニーミュージック)は、急なフェスで失敗しないためのノンストップ特効薬。収録された40曲すべてが、確実に盛り上がれるキラーチューンです!ハツメイで、アートディレクション(青木二郎)・デザイン(佐藤有途)を担当させていただきました。ご家庭に1枚、常備していただけるとうれしいです☆〔K〕

DJ和「フェス、その前に」(ソニーミュージック)

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