オー・ヘンリーとウディ・アレンの週末

映

土曜日の朝。愛読している雑誌の星占いに目をとおした後、実は12星座すべてにほぼ同じ内容が書かれていることに気付いた。たいして信じてなかったくせにいろんなことにガッカリして、ふと思い出したのはオー・ヘンリーの『緑のドア』という短編。ささやかな偶然と壮大な勘違いに導かれながら自らの「運命」を切り拓いたあの主人公みたいに、わたしもわたしで自分の「運命」を決めてしまえばいいのだと考えたら、いい加減な星占いにもちょっと笑えた。そして『緑のドア』も『最後の一葉』も『賢者の贈物』も、オー・ヘンリーの良作ってギャグセンス高いよなぁ…などと余計なことを考えたりしていた。

ウディ・アレンの新作『教授のおかしな妄想殺人』を観に行ったのは、その翌日の日曜日。ブラックなのに夢と笑いと哲学が詰まった作品で、かなり楽しめた。(主人公・エイブの妄想を「ナポレオン主義」と結びつける必要はなかった気がするし、ヒロイン・ジルのモラル感がいまいち掴めなかったけど。)この作品でも、ささやかな偶然と壮大な勘違い≒妄想が登場人物の人生を動かしていた。

オー・ヘンリーとウディ・アレンの「偶然」の肉薄に彩られた週末、不確かな人生に意味を見出そうとする人々のおかしくて哀しくて愛らしい姿に元気をもらった気がする。〔K〕

IMG_3152


TCK新CM「すれ違い」篇

広

今回も、かなりステキです!

舞台はTCK内のゴージャスなレストラン、「ダイアモンドターン」。可愛くてちょっとワガママな彼女と、マイペースで掴みどころのない彼のプチ喧嘩を、剛力さんと斎藤さんが軽やかに演じています。

李相日監督が演出した贅沢なCM、TCKの公式サイトで公開している30秒バージョンもオススメ!メイキングとあわせて、ぜひご覧ください☆

TCKイメージキャラクター スペシャルサイト

///CMスタッフ///
企画制作:ハツメイ+ロックンロール・ジャパン+京王エージェンシー

CD+AD+PL:青木二郎(ハツメイ)

C:斉藤尊司

PR:湯川篤毅、吉野裕介(ロックンロール・ジャパン)

Dir:李相日

P:大塚亮

L:中村裕樹

A:延賀亮

MP:山田勝也(愛印)

PM:谷崎洋志(ロックンロール・ジャパン)

tck_2016CM2


TCK「帝王賞」ポスターできました!

広

派手!元気!レースにも勝てそうです☆

///グラフィック・スタッフ///
企画制作:ハツメイ+ロックンロール・ジャパン+京王エージェンシー

CD+AD:青木二郎(ハツメイ)

C:斉藤尊司

D:福井信行

PH:皆川聡

PR:湯川篤毅、吉野裕介(ロックンロール・ジャパン)

PM:谷崎洋志(ロックンロール・ジャパン)

レタッチ:福井修(フォートン)

teiosho


予感と預言

本

人工授精の成功確率が上がると、「家族」も「恋愛」も「結婚」も消える。ロマンチック・ラブ・イデオロギーは完全に崩壊して、人々は性欲や義務感に振り回されず、2次元キャラの恋人、複数の恋人、配偶者以外の恋人、すべて問題なし。むしろ、夫婦=家族間の性交渉が「近親相姦」として忌み嫌われる。「楽園(エデン)」を名乗る実験都市・千葉では結婚そのものが否定され、大人は全員「おかあさん」(男性も人工子宮で妊娠できる!)、子どもは全員「子供ちゃん」としてシステマティックに役割を果たす……。

『消滅世界』に描かれるそんな世の中が良いか悪いか、好きか嫌いかは別として、現代社会のリアルな状況を考え合わせてみた時、荒唐無稽と笑い飛ばせないのは確かだろう。作品中に頻出する「予感」という言葉で、わたしたちの生きる現実と、一見SFチックな世界とのつながりはどんどん強固になっていく。「キャベツ畑から子どもが生まれる」という西洋の古い言い伝えが、ガラス張りの室内に並べられた「青白いキャベツ畑」みたいな赤ちゃんの群れに重ねられたくだりを読んだ時には、預言者に出会ったみたいにゾクッとした。

タイトルの効果もあってか、この作品を「ディストピア小説」とする評言も多いようだが、わたしはここに描かれた世界を「ディストピア」とは感じなかった。家庭の温かみや、血縁者への特別な愛情や信頼が消える代わりに、孤独死の恐怖も、婚活のプレッシャーも妊活のコンプレックスも、幼児虐待の危険性も消える。そんな世界に身を置く自分は、奪われる側か、与えられる側か。抱き得る「予感」の角度によって、ユートピアにもディストピアにもなる。「消滅世界」はそういう場所だと感じた。〔K〕

村田沙耶香『消滅世界』(河出書房新社/2015.12)

 

 

FullSizeRender (6)

 

 


『チャローインディア2016』

広
カレースター・水野仁輔さん率いる、東京スパイス番長の新感覚インド旅行記。

2016年版は「窯作り編」です。

今回も、青木二郎が表紙のデザインを担当させていただきました☆

2016_1