BOOK:『平成くん、さようなら』(古市憲寿)

古市憲寿『平成くん、さようなら』。一気に読みました。芥川賞候補になっていることもあり、賛否両論合わせて話題の一冊ですが、、、わたしは面白かったです!

描かれているのは、安楽死が合法化されて「死」が選択可能になった世界。世の中は変わっても人間の感覚とか感情は根本的に変わらず、理屈や技術の助けを借りながら折り合いのつけ方を更新していくだけなんだなぁと思いました。スマートでクールな「平成くん」にも、ええっ!そんなでいいの?!と即座に突っ込みたくなるような不完全で青くさいところがあって、憎めない感じが魅力的です。

パラレルワールドのような作品世界には、非日常的な(都会のセレブ的な?)リアルと、丁寧に作り込まれたフィクションが、巧妙に織り交ぜられています。メディア露出の多い作者のイメージをうまく利用して世界観づくりをしているところは、昔の私小説みたいで興味深く。この作品で古市氏のファンになる人も多いのでは?と思いました。

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BOOK:『日本再興戦略』(落合陽一)

年末に読んだ一冊、落合陽一『日本再興戦略』。過去と現在の捉え方、そこからのラインを引き方で、描く未来の姿は大きく変わるんだなぁと1ページ1ページ刺激を受けながら読みました。血の通った注釈も含めて、とても面白かったです!

特に興味深かったのは、幻想としての「欧米」、地方自治体のトークンエコノミー化、「機械化自衛軍」による国防、2.0タイプのリーダー、専門家よりも百姓(たくさんの仕事を持つという意味)、英語力よりも日本語力などなど、書ききれないのでこのくらいで。少しでも気になった方は、ぜひ読んでみてください!

唯一、中学高校の教育については、もう少し踏み込んだ見解を聞いてみたかったかも。。。また本が出たら買いたいと思います!

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FILM:『PAD MAN 5億人の女性を救った男』(R・バールキ監督)

今年最初の映画は『PAD MAN 5億人の女性を救った男』。・・・素晴らしい映画でした!!愛する妻のために、そして5億人のインド女性のために、安価で清潔な生理用ナプキンを開発・製造した、インドに実在するスーパーヒーローを描いたお話です。

月経が「穢れ」とみなされてきたインド社会では、現代でもその期間、専用の部屋や家畜小屋に籠もって過ごす地域があるそうです。ナプキンは高価で普及しておらず、ぼろ切れやおがくずで経血処理をするため、生殖系疾患の原因にもなっているのだそう。不勉強なわたしは、まずこの現実に驚愕。経済や流通の問題だけでなく、女性差別の因習がこういう事態を招いているのだと思うと胸が痛みます。

並々ならぬ努力の甲斐あってナプキン製造機を生み出した主人公・ラクシュミのすごいところは、それを自分の利益に収めようとせず、機械を普及させ販売システムを構築して、女性たちの働く場を作り出し自立を促したこと。パートナーとなった聡明な女性・パリーの慧眼と献身なしには成し得なかったことですが、ラクシュミの不屈の精神には新年から勇気をもらいました!

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