MANGA:『アオハライド』(咲坂伊緒)

ハツメイの本棚管理人のわたくし、もともとは高校の教員でした。実はご縁あって、秋から再び私立高校で現代文を教えています。数年ぶりに接する高校生、、、本当にキラッキラでかわいいです!あの3年間のかけがえなさ、やはり特別だと思います。

そしてまた、そんな高校生たちと文章を精読することの楽しさったら。宮沢賢治、梶井基次郎、志賀直哉、川端康成と文学作品の扱いも多いので、よろこびもひとしおです。

さて、センセーのくせに、マンガの話ですみません。でも、アオハルを語るにはやはり『アオハライド』。青春ものの金字塔ですので!

「青春は、まちがえる。」

「行ったり来たり、上等!」

ほんとに、そのとおりだと思うのです。本人たちを悩ませるその揺らぎが、遠くから見守る者たちの目にどれだけ眩しく美しく映るか。

そしてそして、「吉岡さんが向いてる方が前向き」など、最強2番手男子・菊池冬馬くんの名言の数々もたまらないです。(個人的には、菊池くんが大活躍する9巻を神巻と崇めてます)

それにしても、咲坂伊緒先生の作品は、見事にみんな帰宅部ですよね?『アオハライド』だけでなく、『ストロボエッジ』も、『思い、思われ、ふり、ふられ』も。なんでしょう?青春=部活へのアンチテーゼ?・・・そんな意図だったらおもしろいなと、勝手に想像して楽しんでます。

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FILM:『レディ・バード』(グレタ・ガーウィグ監督)

映画に映し出されるクルマでの送迎場面が、最近やたらと気になっていました。どんなに反発していても、どんなに腹を立てていても、迎えに行ったり送ってもらったり。自分にまったく経験がないので、なんだかおもしろいなと。

『レディ・バード』は、主人公がクルマからバンっと飛び出すシーンから始まります。親の運転するクルマで癇癪を起こして、ムチャして骨折するという若さ全開の女の子です。そしてさらに、親のつけた「クリスティン」のいう名前を拒み、周囲に「レディ・バード」と呼ばせている、自我強い系の女の子です。そんな女の子が、自分で未来を選んで、遠くから親を想い、親のつけた名前を受け容れる。単純にまとめれば、『レディ・バード』はそんな成長物語でした。

個人的に好きなのは、免許を取った彼女が自分でクルマを運転しながら、住み慣れた町を新たな目で眺め、母親の見ていたであろう景色に思いをはせるところ。クルマにはドラマがあるなぁ、満を持して免許を取ろうかなぁなどと、考えたりしています。

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0618


FILM:『万引き家族』(是枝裕和監督)

カメラを構えたら自分の足が入っていて、なんとなく気に入ったのでそのまま撮っちゃいました。

是枝裕和監督、大好きです。カンヌ国際映画祭パルムドールの受賞、おめでとうございます!

『幻の光』を観たシネ・アミューズも『ワンダフルライフ』を観たシネマライズもなくなってしまったけれど、あの時の感動は今もまったく色褪せていません。時間を持て余していたあの頃に日本映画が盛り上がっていたのは、ラッキーだったなぁと思います。

『万引き家族』を語る言葉が、正直見つかりません。それでとりあえずズレたことを書いてみたりしましたが、やっぱりまだ見つかりません。新聞やニュースやドキュメンタリーで見聞きすることが詰まっていて、切り口はたくさんあるのだと思います。でもそういうワードで語る気持ちにはなりません。ただ、驚いて、辛くなって、温かくなって、静かに心に残っている。今は、そんな感じです。

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0613


BOOK:『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」』(山口周)

山口周『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』読了。

タイトルの問いの端的な答えは、「経営における「真・善・美」のモノサシを、客観から主観に転換するため」。論理的思考の普及、自己実現欲求市場の誕生、社会システムの加速度的な変化によって、普遍的な基準とされてきた「論理・法律・市場調査」はむしろ経営のパフォーマンスを下げる存在となった。それに気付いているエリートたちは自らの「直感・道徳・審美感性」を磨き、新たなモノサシを手に入れようとしていますよ、というお話でした。

一番興味深く感じたのは、「意思決定の理由を合理的な説明に頼るのは、「リーダーシップの放棄」でしかない」という指摘。「言語化」や「再現性」を否定するくだりは、小気味よいくらいでした。でも本書はもともと、「サイエンス≒論理」に偏りがちなビジネスマンたちに向けたもの。「アート≒直感」だけあればよいのではなく、会社でも個人でもアート・サイエンス(・クラフト)をバランスよく備えるべき、ということだと思います。

ちなみに我が社のメンバーは、論理的な大人たちがなかなか解けないというエクササイズ(クイズ)を0.1秒くらいで解いちゃいました。アートはひとまず放っておいて、むしろサイエンスを鍛えないといけませんね。。。

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0531


PLAY:『ハングマン』(マーティン・マクドナー作)

舞台『ハングマン』(作/マーティン・マクドナー、翻訳/小川絵梨子、演出/長塚圭史)、観てきました。パンフレットのコラムに「良心を捨てて」観るようにとの言葉があったので、どんなに非道なお話なのかとドキドキしていたのですが、、、良い意味で普通におもしろかったです!倫理観たっぷりの人が観たら、ちがうのかもしれませんが。

主人公は絞首刑執行人=ハングマン。死刑がひっそりと行われる日本と比べると、カリスマハングマンが存在する設定自体が新鮮でした。死刑制度とか冤罪とか、地域格差と差別とか、システムの変化による失職とか精神病院への閉じ込めとか、実は盛りだくさんですが、、、社会的な問題はさておいて愚かな人間ドラマを楽しむのがよさそうです。

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0530


PLAY:『ヘッダ・ガブラー』『酒と涙とジキルとハイド』『図書館的人生 vol.4 襲ってくるもの』

最近観たお芝居。

『ヘッダ・ガブラー』はイプセンの戯曲。寺島しのぶの強烈な「新しい女」ははまり役でした。

『酒と涙とジキルとハイド』は三谷幸喜作・演出の再演。「ただただお客さんに笑ってもらう」という狙いどおり、ひたすら笑って劇場をあとにしました。あと、優香が可愛すぎでした☆☆

『図書館的人生 vol.4 襲ってくるもの』は、大好きなイキウメ。自分の意志とは無関係に立ち上がってくる「感情、衝動、思い出」にまつわる短篇集。いつものとおり全部面白かったのですが、「衝動」を世界からの呼びかけだと捉えて使命感を抱く男の話は特に印象深く。なんだかとても、わかる気がして。。。

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0521


FILM:『OVER DRIVE』(羽住英一郎監督)

試写会にて『OVER DRIVE』。ラリーという競技に縁のなかった私でも、かなり楽しめました!舞台になっている「SCRS」(SEIKOカップラリーシリーズ)は架空の設定らしいのですが、作り込み方がすごくて本物のレース実況みたいです。

物語の中心にいるのは、天才ドライバーの弟と、チーフメカニックとしてレースを支える兄。兄弟愛、勝負と勝利、幼なじみ、一途な片思いなど、少年マンガ風の世界観で、理屈抜きに入り込める作品です。それにしても、、、弟役の新田真剣佑さん、熱量ある不機嫌さがとっても似合ってました〜!爽やかな笑顔より、イライラ怒ってる顔の方がステキです☆(あくまで個人的な好みですが・・・)

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0520


FILM:『犬ヶ島』(ウェス・アンダーソン監督)

試写会にて、ウェス・アンダーソン監督の『犬ヶ島』。いろんなものがギュウギュウ詰まった、盛りだくさんな映画でした。

細部までこだわり抜いたストップモーションアニメの素晴らしさにはもちろん、ピュアな想いでつながれたアタリ少年と犬たちの冒険物語にも感動!情報量がとにかくすごいので、個人的には吹き替え版をオススメします☆

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MANGA:『初めて恋をした日に読む話』(持田あき)

前回からの受験話つながりで、ハツメイの本棚別館からお気に入りの漫画をご紹介。持田あき『初めて恋をした日に読む話』です☆

ヒロインは、春見順子31歳。猛勉強の青春期を過ごしたものの、東大受験に失敗して女子大へ進学。その後は塾講師の職に就き、仕事にも恋愛にも趣味にも情熱を持てず迷走気味の毎日を送っています。そんな中、偶然出逢ったのが、ピンク頭の高校生・由利匡平くん。父親への反抗心から東大合格を目指す彼を、順子は塾講師として全力で指導します。

ユリくんも、いとこの雅志も、元ヤン現教師の山下くんも、順子のまわりにいるのは魅力的な高スペ男子ばかり。鈍感で非モテ自認の順子が実は愛されキャラ、、、という設定には少女漫画的な夢があります。が、この作品がドキドキ以上のワクワクをもたらすポイントは、やはり順子のアツさとまっすぐさ!「東大出じゃない奴に東大受験は指導できない」という冷ややかな周囲の声をはねのけて、自分の劣等感と向き合い、努力を惜しまず、決して折れずにユリくんの東大受験を支えようとする順子の姿は本当にすばらしい☆勇気と活力をもらえる、オーバー30におすすめの漫画です!

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BOOK:『日本の分断 切り離される非大卒若者(レッグス)たち』(吉川徹)

吉川徹『日本の分断 切り離される非大卒若者(レッグス)たち』。大卒者/非大卒者の「分断」を社会調査の分析から炙り出し、「明日の日本の姿」を描き出そうとする内容です。なるほど確かにと納得したり、うーんそうかしらと考えてしまったり、ねぇねぇこれってどう思う?と隣に調査結果のグラフを見せてみたり、、、なんだかアクティブな読書になりました。

一番ドキッとしたのは、「日本の学歴社会は、社会に出てからの再チャレンジを許さない」という指摘。これは、社会人になってから大学院で学んだわたし自身が身にしみて感じていたことでもありました。日本社会では、「もともと」どんな人なのか?という観点で人物評価されることが多い。生まれる前の決定事項≒家柄(家庭環境)と、社会人になる前の決定事項≒通常年齢の学歴は、結局更新できないことがほとんどなのだと思います。

今回、「日本の学歴は、変えようのないアイデンティティ」という表現を目にして、違和感を覚えていた世間の感覚をストンと理解できた気がしました。リカレント教育はあくまで別腹、というのが日本流なんですね、きっと。

それにしても、80年くらい続く人生の中で、18歳時点の選択(しかも4年ぽっちの在籍!)がそこまで意味を持つなんて。大卒者/非大卒者の「分断」って、考えれば考えるほど不思議な感じです。早め早めにと躍起になるお受験ママたちの気持ちが、わかるような、わかりたくないような・・・。

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0506